ヤバい! 映画が始まって10分でそう思いました。予告編である程度は覚悟していたものの、そもそも涙もろい私にはヤバ過ぎでした…この映画。私だけでなく、客席中、あちこちからすすり泣きの音が聞こえていました。
2004年、10月23日、午後5時56分、新潟県中越地震が起きたこの瞬間、皆さんは何をしていましたか? 私は自宅で一歳半の子供のオムツを替えていました。グラグラ…と揺れ出して「怖いっ!」と息子を抱きしめ、ギシギシ揺れる電灯を見上げていたら、しばらくして揺れは止まりました。ホッ…と一安心! 棚の上の物が落ちたりすることもなく、「東京でちょくちょくあるいつもの微震だな…?」と思っていた地震が、新潟であんなひどい事になっていたなんて、その時には想像も出来ませんでした。
『マリと子犬の物語』は新潟中越地震で最も大きな災害を受けた山古志村で実際にあったエピソードをもとに作られた命の物語。
犬(マリ)が飼い主である家族を必死で助けようとする姿、子供たちがマリを被災地から救い出そうとする健気な姿、おじいちゃんが孫を命懸けで守ろうとする姿に、ただただ感動しました。実際の被災者の方、同じような大規模地震を経験した方の中には、地震の怖さ、悲惨さが描ききれていないと感じる方もいるかもしれませんが、一匹の犬とある家族に焦点をあてたこの映画を通して、私はたくさんの事を知り、実際にあっただろう色んな事を想像することが出来ました。
お母さんを病気で亡くした幼い兄妹が、置き去りにしてしまった犬をどうしても諦めきれなくて、「もうお母さんみたいに死んじゃうのはイヤなんだ〜!」と叫ぶのが胸に突き刺さりました。
船越栄一郎さん扮するお父さんが息子に、「人生にはな…どうにもままならない事、どうしようもない事がこれからもいっぱいあるんだ…。それを乗り越えて行くことが生きていくってことなんだ!」と教えるセリフが心に残りました。
本当に心が温かくなって優しくなれる映画。
もうすぐ5歳になる息子を連れてもう一度観に行こうと思ってます。どんな塾に通わせるより、学ばせたいことがいっぱい詰まっていました! 涙もろい方はもちろん、そうでない方もマジ、ヤバいです!
今回から良かった映画だけでなく、イマイチ映画も、お金返せ映画も、とりあえず観た映画は書いていこうと思います。で、よくありがちですが、私なりの★印採点を付けていこうと思います。
まずは初回の『マリと子犬の物語』、★★★★★。文句なしの5★満点! 幸先いいスタートです!