『オーシャンズ13』を試写会観てきました。こんな言い方しちゃ〜ナンですが、
意外!意外!意外にも…
面白かったぁ〜!
実は私、このシリーズ初めて観たんです。『オーシャンズ11』が公開された時、私の信頼する映画好きでソダーバーグ監督好きなお友達がスグに観に行ったんだけど、かなりガッカリ…いやいや、それどころじゃなかったナ、「私の時間返してよ〜!」と言わんばかりに憤慨していたので、私も観る前から「豪華キャストが勢揃いしただけの中身のないお祭り映画なんだろうナ…」と決めつけてレンタルDVDでさえ手に取りませんでした(関係者の方ゴメンナサイ)
。
そんな私が今回初めて観ようと思ったのは、予告編を観た時、アル・パチーノが出てたから〜。もうこのいぶし銀のような存在だけで映画がピリッと引き締まりそうじゃないですか!
内容的にはあまり期待せず観に行ったのに、冒頭からググっとしっかり心を掴まれちゃったのは、何と言っても“復讐劇” Story展開。今回オーシャンズのメンバーが集結して立ち上がったのは、金塊のためでも宝石のためでもない。大事な仲間がハメられ、卑劣な仕打ちを受けて生死の境をさまよっている。その借りを返すためだけに一致団結して立ち上がるというこの“男達の熱さ”にやられ、もう冒頭から心に火が付いちゃいましたよ。しかも今回ハメられてしまったのは、最古参メンバーで優しいお父さん的存在だったルーベン。
強盗の真っ最中だったラスティ(ブラッド・ピット)が、ルーベン危篤の報せに目の前の大金を迷いもなく放り出して駆けつけるところがカッコイイ〜! ルーベンの病床に集まったオーシャンズの思いはひとつ、
『ただの仕返しでは済まさない!』『13倍にして返してやる!』。
時間をかけて綿密に計画を練り、来たるべき“リベンジの日”のために、それぞれが着々とそれぞれの仕事をする…「One for All , All for One ! 」一人はみんなのために、みんなは一人のために…この精神好きだなぁ。これぞまさに“アメリカ版21世紀の忠臣蔵”だ!
復習の鬼と化したオーシャンズたちのターゲットが中途半端なワルじゃつまらない。これがまたアル・パチーノだから見応えがあるんだよなぁ〜。ゴッドファーザーで父の復讐に立ち上がったパチーノが、復讐される側になってるのも面白いではありませんか。
私がいたく気に入ったのは、リーダーのダニー(ジョージ・クルーニー)が簡単に復讐を決めず、怒り狂う気持ちを抑えパチーノ扮するバンクに会いに行き、彼に最後の警告をするところ。オーシャンズ用語で“ビリー・マーティン”というセカンドチャンスだ。この一段階があるのと無いのとでは観客(特に女性客)の復讐に対する感情の入り込み方は全然違う。もしダニーが自分のボスがハメられたからといって簡単にキレてすぐに復讐をおっ始めてたら、一部の喧嘩好きの男たちは「やれやれ〜」と喜んだかもしれないけど、女性客は一気に冷めちゃうと思うなナ。オーシャンズがただの喧嘩好きのガキんちょ集団に見えちゃう。このダニーの怒りを抑えた最後の警告に対して、バンクが「騙される方が悪いんだ。お前らなんかちっとも怖くない」と超憎ったらしい顔(見どころの演技)で返してきたから観てる方も燃え上がった。「クソおやじめ〜! ギャフンと言わしたれ〜!」ってね。
欲を言えば、ルーベンがこのバンクに裏切られるシーンが短すぎたと思う。早く本題に入るために、最初の10分間くらいの回想シーンでチャチャと片付けちゃった感じ。もっと丁寧に描いてくれたらもっと悔しがれて復讐心も盛り上がったのになぁ。
見どころは何といっても着々と包囲網を張りめぐらしていく様々な復讐の仕掛け。シュウマイに細工するような小さなことから、地震を起こさせるような大きなことまで、とにかく芸が細かい。「そんなアホな!」と思いながらこれがかなりワクワクして、おもいっきり笑えてしまうんです。舞台がラスベガスでカジノの裏側も見え隠れするからギャンブル好きにはたまりません! はい、私です。
メンバーがそれぞれの得意技を見せるところは特に見もの。シリーズを最初から観てキャラを知ってたもっと楽しめただろうなと思います。さかのぼって『11』『12』観てみることにします。
ジョージ・クルーニーがダンディで最高にかっこいい!
ブラピもアンディ・ガルシアも魅力爆発!
女性陣は楽しめること間違いなし。唯一、メンバーの中でアジア人である男の子がちょっとイケてなくて残念。本物の中国の曲芸師で、きっとスタントぶりを買われたんだろうけど、顔が地味すぎなんだよねぇ。ケイン・コスギ君あたりを使って欲しいなぁ〜と切に思っちゃいました。
とにかく、メラメラ燃えさせて最後にスッキリさせてくれる大娯楽劇!
私のようにシリーズを観てなかった人でも十分に楽しめますから、是非スクリーンに足を運んでみて下さいね。