僕たちのハチミツが人間にとられてる!? 僕のハチミツ返して!!
ドリームワークスが贈る最新CGアニメーション『ビー・ムービー』(1月26日公開)を試写会で観てきました〜。★★★☆☆(星3つ)
働きバチのバリーが人間の世界を舞台に繰り広げる冒険の物語。普段、私たちが見ることの出来ない巣の中でのハチたちの暮らしぶりを、テンポよく、オモシロ可笑しく描いていて、冒頭からめっちゃ楽しい! ハチの社会では手洗いの石けんも、うがい薬も、髪を整えるディップもぜ〜んぶハチミツなんだなぁ〜(笑)。身支度を整えたら、最後はお尻の針を電気えんぴつ削りでギュイ〜ンと削って『行ってきま〜す!』。ここまで観ただけで、これからどんなお話が始まるのか…ワクワクしちゃいました! バリーがハチ大学を卒業し、就職先のハネックス社(ハチミツ製造工場)を見学するところもホ〜ント面白かった。ハネックス社にある3000種の仕事(加熱、冷却、粘着、花粉集計、流し込み、かき混ぜ、鼻歌、受付、毛の除去、シェフ、毛並みコーディネーター、ダニの世話係、ハチの巣管理、トイレの案内係…などなど)の中から1つだけ選ばなきゃいけない。しかも、ハチの世界では一度選んだ仕事は、死ぬまで変えられないという決まりがある。
「一生ひとつの仕事だけなんて…。もっと外の世界を見てみたい!」と悩む姿は、地方に生まれて地方で育ち、地元の会社に就職せざるを得ない子たちにはすごく共感出来るところじゃないかナと思います。
そんな葛藤で仕事を選びきれないバリーが、花粉レンジャー(外の世界にハチミツを取りに行く係の強くてたくましいハチたち)に混じってNYの街に飛び出すところが最高にワクワクします。初めて見る世界、初めて見る人間。NYのセントラルパークの上空をハチ目線で飛行する映像はホントに綺麗。さすがドリームワークスです!
そして危険な目に合いながらもなんとか危機一髪で切り抜けて、いよいよバリーは心優しいヴァネッサに会います。初めて出来た人間の友だち。ハチがお喋りすることに戸惑いながらも打ち解けていくあたりがリアルで、ほのぼのしてて、自然と笑みがこぼれちゃいました。でも、どんなに可愛い奴でお喋りが面白くても、ハチ恐怖症の私は絶対にヴァネッサにはなれないなぁ…なんて思いながら見てました。
ところで、そんなに楽しい映画なのにナンデ星3つなんだ?ってか?
そうなんですよ〜、ここまではすごく面白かったんだけど、これから先がなんだか話しが飛躍し過ぎて、正直言って付いて行けなかったんです…私。だってハチミツを人間に横取りされている事実を知ったバリーが、人間相手に裁判を起こしちゃったりするんだもん。行き過ぎでしょ…これは(笑)。バリーがハチ社会の地味な仕事に魅力を感じられず、ハチミツを人間から取り返すことに初めて使命を感じて立ち上がる!というテーマはすごく面白い(好き)と思うんだけど、裁判でなくてもっと違う展開なかったんかい?と、そのあたりからしゅしゅーと引いてしまいました。子供は理解できない、大人だけの映画になっちゃった感じです。
まっ、でも、スティングやレイ・リオッタ、日本人でも知っているCNNの看板キャスターのラリー・キングのパロディがあったりして、大人にはクスッと笑えるお遊びが満載で、飽きさせない作りにはなっていましたよ。
「1つ1つはどんなに地味でつまらない仕事でも、それが繋がれば大きな仕事になる! ぜ〜んぶ大事な仕事なんだよ。だから頑張りましょう!」というメッセージがあるこの『ビー・ムービー』。夢がみつからなくて迷ってる人や、今の仕事に嫌気がさして悩んでる人には、何か答えをくれる映画かもしれません。